ヒューマン&ホープ・アソシエーション

今日は、あるNGOの見学に行ってきたのでご紹介したいと思います。


NGO名:Human and Hope Association(ヒューマン&ホープ・アソシエーション)

主な事業:児童教育、収入向上のための職業訓練、コミュニティーサポート
母体:オーストラリア
始まり:2013年

ここのNGOは現在オーストラリア人の女性サリーさんが主にオーストラリアからファンドを募り、運営はカンボジア人が行っています。2016年にはサリーさんはこのNGOから去り、ファンド自体もカンボジア人だけで集めていくのだそうです。


今回私がこのNGOを訪ねたのは、収入向上のための職業訓練の女性たちのプロジェクトについて知りたかった為。


こちらの職業訓練はビギナークラス、アドバンスクラス、エキスパートクラスに分かれ、希望した村の女性たちに1年間、縫製の技術を教えます。他のNGOでよくあるのが、貧困レベルの高さをNGOのソーシャルワーカーがチェックして、そういった人たちを優先的に訓練する、というところが多いようですが、こちらは本人の「やる気度」を重視しているようです。

1年のコースを終えると卒業となり、自宅でテイラーを始めて、服を作ったり、町のテイラーで働いたりします。

卒業して、自宅でテイラーを始めたい人にはNGOが運営するマイクロファイナンスでお金を借りることが出来、ミシンや必要なものを購入することが出来ます。またこのNGOの商品として町のお土産物屋さんで販売する商品も、このNGOから委託で請負い、制作し、収入を得ることが出来ます。

ここで興味深いことは、このNGOは自宅でテイラーを始めた人たちを支援する為に、「最低月間賃金」と「最高月間賃金」を決めて仕事を発注していること。 

仕事がなく、日々の生活に困ってしまわないように最低この金額分の仕事を発注します、という「最低賃金」と、NGOの仕事に頼りきらず、自分たちで仕事を得て生活してゆくために、決められた金額以上の仕事は発注しないという「最高月間賃金」、というのが決められているのだそうです。



なかなかおもしろい制度です。


技術を教えたはいいけれど、仕事がなくてはすぐに立ち行かなくなる。
けれど、NGOから委託される仕事だけを請けていては自立したとは言えない。




ここのカンボジア人のスタッフ(先生)たちはダイレクター(校長先生)も含め、みんな20歳台の若者です。先生たち自身がこのNGOのスカラーシップを利用して勉強している大学生なのです。
(注:日本の大学とカンボジアの大学はシステムが大きく違いますが、別の機会にお話しますね。) 先生たちはとても活き活きしていて、自分たちの仕事が好きで誇りを持っていることが話をして、授業を見るだけで伝わってきます。 自分たちのNGOを「チームHHA(Human&Hope Association)」と呼んで小さいNGOながらも結束力があるのが伝わってきます。


こちらは2016年以降はファンドも自分たちでやっていこうとプランをたてています。自分たちの国のことを自分たちで考えて動く、あたりまえだけど簡単ではない。けれど成功すれば、それが成功事例として次に広がっていく・・・。


頑張って欲しいなって思いました。


NGO訪問中は写真撮影は禁止の為、写真はありませんが、下の写真は、このNGOで訓練を受けた卒業生たちが作った商品の一部。very berry にて絶賛販売中!(宣伝! 笑)



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